契約書

明渡し

 

不動産賃貸借契約が終了し、借りていた家屋等の中にある動産を撤去して、持ち主に返すことを「明渡し」といいます。

一般には「明け渡し」とも書きますが、契約書等では「明渡し」がよいようです。「け」が入りません。「甲が乙に明け渡す」というときには、「け」をつけるとされています。法律家でも、こういう点に厳格な人と、そうでもない人がいます。
「引渡し」「受渡し」も同様です。

「引渡し」は、物件の占有移転一般を言いますが、「家屋などの中にある動産をすべて撤去してから引き渡す」のが明渡しです。

明渡しに関連する問題

マンションの賃貸借契約が終了して明け渡すと、数日から数週間で敷金として預けていたお金が戻ってくると思います。

この場合に、人はいなくなったけれども、まだ家財・荷物が残っていると、通常は明渡しが完了していないことになります。ということは、賃料がかかるということです。その賃料を支払わないと敷金から引かれていきます。

明渡しと敷金返還は同時履行といわれますが、明け渡してから敷金が借主の口座等に振り込まれるまでに日数がかかると思います。この期間に遅延利息(遅延損害金)はつけないという特約があるかもしれません。

明け渡したその日に敷金も返還してもらわないと不公平だとは思いますが、そういう苦情はあまり聞いたことがありません。ただ、似たようなことなのですが、次に書く「離婚」「相続」の場合は、明渡しと完全に同時に△△をするのでなければ納得しないという例はあるかもしれません。

離婚

離婚に際し、居住していたマンションを財産分与でどちらか一方の所有とした場合に、「△月△日までに明渡しを完了すること」と定めることがあります。明渡し日がずれると、財産分与全体の再計算となる可能性もあります。

相続

相続に関し、たとえば親と長男が同居していて、親が亡くなった場合に、その長男は遺産分割の都合上、住んでいた家を明け渡さなければならないことがあります。これも明渡し日がずれると、遺産分割協議全体の再検討となる可能性があります。

父が死亡したときに一緒に暮らしていたのが、相続人である子供たちの実の母ではなく後妻である場合など、遺産分割の都合で、その後妻さんが家を明け渡すということは比較的起こりやすいことかもしれません。(それを避けるなら、遺言書でできるだけの手当をしておきましょう。)

 

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