誓約書

交際したら500万円

TBSドラマ「中学聖日記」で誓約書がでてきます。平成30年12月18日が最終回でした。

誓約書は、「今後、交際しない。もし交際したら違約金として500万円支払う。」という内容です。このような誓約書や念書は実際によくあります。

誓約書

ネット上で全文がアップされていますから、参考までに転載しておきます。ただ、ドラマの中での誓約書と以下の誓約書ではところどころ内容が異なります。

     誓 約 書

 私、末永聖は今後、黒岩晶(以下「晶さん」といいます。)さんとの一切の連絡、接触を断ちます。また、晶さんの母である黒岩愛子様に対し、下記の事項を固くお約束いたします。

万が一、以下の誓約事項に違反した場合、黒岩愛子様の監護権侵害に基づく損害賠償として、直ちに金500万円を支払うこと、また管轄の教育委員会に当該事実を告発されたことなどにより、自己がいかなる処分を受けたとしても、これに対し、いかなる異議も申し述べないことをお約束いたします。

        記

  1. その方法や形態及び理由の如何を問わず、今後一切晶さんと接触しないこと(これを持ちかけたり、第三者に依頼すること等を含む。)
  2. 晶さんに対し、電話、FAX、電子メール、インターネット上の通信その他手紙など、その方法の如何を問わず、一切連絡をとらないこと(第三者を介しての連絡を含む。)
  3. 上記1及び2について、晶さんからの接触た連絡があったとしても同様であり、その場合はこれに応じず、明確に拒絶すること
  4. 晶さんに対し、付きまとい、待ち伏せ又は押しかけるなどといった行為を行わないこと
  5. 現時点において自己が知りうる晶さんへの連絡手段(電話番号、電子メールアドレス、SNS等のアカウント情報を含むが、これに限られない、以下同じ)の全てを破棄(消去)すること
  6. 晶さんが知り得る事故への連絡手段を、速やかに全て変更又は破棄すること
  7. その他、本誓約書作成の趣旨に反する一切の行為を頑なに慎むこと

平成2018年12月10日

ドラマの中で、誓約書の日付が「平成2018年」となっていることから、ネット上で、「この誓約書は法的に無効なのだから・・・」と話題になりました。

単純な書き間違いなら

現実に、誓約書で「平成2018年」と書いた場合には、私は法的に有効だと思います。平成30年が西暦2018年で、実際に出来事はこの時に起きていますので、単純な書き間違いとみるべきでしょう。

勘違いをして書面を作成した場合には無効になる(錯誤無効の)可能性はありますが、その場合の勘違いとは、「もし日付を正しく認識していれば、署名しなかったはず。」「その日付について勘違いがなければ、一般的には誰もそのような誓約書は書かない。」と判断されるほど重要な事項についてです。

この誓約書でもっとも重要なのは、この主人公が、今後、交際をしないことを誓うということですから、西暦と和暦を書き間違えても、それがこの誓約書の本質的な部分とは考えにくいです。

また、そもそも「誓約するつもりがない」ので、デタラメな日付を書いたのであれば話は違ってくるかもしれません。

とにかく、現実にこの誓約書の有効性を争うなら訴訟にしてみるほかありません。

賠償金を支払いたくても払えない

私の扱った業務で現実にあったことですが、銀行名が違うという人がいました。

「金△△円を三菱東京UFJ銀行に振り込んで支払う。」

という合意書を作成したのに、期限を過ぎても支払ってもらえない。相手に請求したところ、

「三菱東京UFJ銀行という銀行はない。(東京三菱UFJ銀行はあるが。)だから支払いたくても支払いようがない。」

と言われたというものです。ちなみに、この銀行は平成30年12月現在「三菱UFJ銀行」という名称になっています。

この例では、訴訟にするまでもなく、三菱東京でも東京三菱でも有効でしょう。ただし、訴訟にしてみたければ、してみてもよいでしょう。

ドラマはフィクションですから

法的に無効になればよいと考えて、故意に「平成2018年」と書いたのでは、自分に不利なことも正直に認めてきた主人公のイメージが壊れてしまいます。

「2018年」と「12月10日」では、記載をした筆跡が異なっているという人もいます。

誓約書

私のみるところ

  • 「0」は同じ
  • 2018年の「1」と、12月10日の「1」はやや異なる
  • 2018年の「2」は、12月の「2」とやや異なるが、住所の「2」とは似ている

と思います。

こういうものは小道具さんが作るのでしょうが、このドラマのもっと前の回で、主人公が退職願を提出する場面があります。この封筒に書かれた「退職願」という文字がとてもへたなので、これでは国語の先生である主人公のイメージが壊れてしまうと思いました。しかし、退職後、主人公が元上司へ出した手紙の文字はきれいでした。テレビドラマというのは、かなり大雑把に作るらしいなあと思いました。「平成2018年」は担当者がうっかり書いたのかもしれません。

他にも、TBSテレビだから古い日本の体質を否定するために、故意に「平成」という文字を無視して西暦で書いたという意見も聞きました。「平成  年」という記入欄は本来、手書きで2文字を楽に書けるくらい空けて作成するでしょう。印字なら3文字書けるくらいのスペースを私は作っておきます。それなのに「  年」「  月」「  日」の文字間隔がすべて同じになっています。手書きで4文字書くには狭いのです。記入する係の人は「平成」という元号を敢えて無視してこの狭いスペースに4文字を記入したので、つい力が入ってしまって(人から批判されるかもしれないと思いながら書いたために動揺して)本来の筆跡である「12月10日」とは少し違った筆跡になってしまったとも考えられるかもしれません。

ドラマの中で何度も「平成2018年」と出てくるのに、関係者が誰も気づかないというのも不思議なので、いろいろな憶測をよんだのでしょう。

ちなみに、公正証書などの公式な書面は元号を用います。ですから数年前に作成した公正証書ですと、「平成50年12月まで、毎月△△円を支払う」というように書かれているのが普通です。

ただ、私の受任した案件ですが、西暦を使いたい事情があったので、公証人さんにその旨を伝えて公正証書に西暦を使用したことがあります。

示談書・合意書・誓約書

不倫・不貞行為等があった場合に、「今後、交際はもちろん、連絡も面会もしないこと。もし、違反した場合には500万円支払うこと。」という示談書合意書誓約書を作成することはよくあります。

この場合の「500万円」は慰謝料・損害賠償金ではありません。また、500万という額が適正かどうかという問題もありますが、安すぎると金額を設定した意味がなく、また高すぎると公序良俗に違反するなどして無効とか、結果的に減額となる可能性が高いと思います。

もし現実にこのような書面を作成するなら、その点も考慮して金額を設定しましょう。

誓約書の内容は適切か

このドラマでの誓約書が「あまりにも無謀な内容である」という感想をお持ちの人もおられるようです。特に誓約書の5番と6番を指しているようですが、私の実務経験では、結構当たり前の内容だと思います。

ドラマの中では、第三者が電話をかけて、その電話を使ったから誓約に違反していないとか、主人公が観覧車に乗っているから接触したことにならないなどという設定になっていますが、誓約書の内容からするとすべてアウトでしょう。誓約事項に違反していると思います。(まあ、ドラマですから・・・。だから「平成2018年」などと書いてしまったのではないでしょうか。テレビドラマといえば、かつてかなり話題になったものもありますが、ストーリーがおかしかったり不自然だったりというものは多いです。なお、Paravi では今回の誓約書の「平成」という文字を消して放映しているそうです。)

川崎市中原区の行政書士

彩行政書士事務所は、川崎市中原区に本拠を置く行政書士事務所です。誓約書・示談書・合意契約書や内容証明郵便の作成等、個人的な権利義務に関する業務が中心です。武蔵小杉・元住吉で面談をしていますが、出張もいたします。

電話やメールで、「ひと言でお答えできること」「一般的な相談」には相談料はかかりません。どういう書面を作るかを決めて、書面の内容も考えてからご連絡をくださる方も多いのですが、できればそれ以前にご連絡いただいたほうがスムーズに進むと思います。事実関係だけは詳細なメモを用意いただけると手際よく業務ができます。

また、土曜・日曜・祝日・時間外でもご連絡いただければ、できるかぎり対応いたします。特に、「今日は土曜日だから、月曜日まで待って朝イチで連絡しよう。」とお考えにならなくて結構です。私もできるだけ早くご相談いただいたほうが考える時間があって助かるのです。