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婚活サークル・婚活サイトで騙された
婚活サークルでだまされたので、慰謝料の請求はできますか、という相談は多いです。婚活サイトの場合もありますし、社会人サークルなど他の呼び名のものもあります。
では、どう騙されたのでしょうか?
騙されかた(タイプ1)
- お付き合いが始まったふりをして、高額商品をねだる
- 結婚することが、ほぼ前提となっている。実は、分譲マンションなどの営業職をしていて、自分の扱う商品を買わせて自分の営業成績にする。
これは「悪い女に男性が引っかかる」ケースでしょう。冷静な判断力と強い決断力があれば、これには引っかかりません。が、実際には難しいかもしれません。
騙されかた(タイプ2)
- 既婚者なのに独身のフリをして深い交際を楽しむ
- 既婚者だが、婚姻破綻していて、間もなく離婚する予定と言って交際する
これは「悪い男に女性が引っかかる」ケースでしょう。この場合、だまされた女性は、自分が完全に被害者だと思っていますから、警察への被害届・告訴、内容証明郵便による損害賠償請求などの方法を尋ねてきます。
常識的に考えて、女性が騙されたことは明らかだと思いますし同情いたしますが、法的には「騙された女性が不法行為をしている」可能性もあります。
相手の男は既婚者ですから妻がいます。配偶者のある人と不貞行為があったときは、損害賠償、いわゆる不倫の慰謝料の問題が生じます。
「知らなかった、だまされたのだから罪はない」ような気がしますが、不貞行為の成立要件として「故意・または過失」があります。
妻があると知っていながらするのが「故意」です。注意すれば妻があるとわかったはずなのに、その注意が足りなかったのが「過失」です。
もちろん妻がいないフリをするのですから、上手な嘘をつくでしょう。職業を医師・弁護士だとか会社経営だといって、そういう肩書の名刺を持っていたりします。偽名を使うこともあります。ここまで準備がしてあると、騙されても当然と思うかもしれませんが、そのように大きな嘘をついていれば、逆に、交際中に「ほころびが生じやすい」「気をつければ、怪しい点があったはず」という見方をされる可能性があります。
医師(のはず)なのに医学知識が怪しいとか、会社経営をしている(はずな)のにビジネス感覚がずれている、就業時間がおかしい、言動が不自然、などです。
そういう嘘を見抜けなかったのは「過失ではないのか?」という反論がくることも考えておいてください。過失があることになれば、責任もあるかもしれません。
単なるウソは罪にならない、と。
相手をそこまで見抜けというのは、ちょっと無茶な要求だと思います。しかし、もし既婚者でないとしても、「あなたのような素晴らしい人に出会ったのは生まれて初めてだ」というような「嘘」(!?)を言った場合には罪になるでしょうか。
嘘にも「程度」がありますので、一概には言えませんが、基本的に「嘘を言われても罪に問えない」と思っていたほうが無難です。
違法でなければ罪には問えません。モラル・道徳に反していれば人として失格でも、法的な咎め立てはできないことがほとんどのようです。
「法に則って」という人は大勢いますが、人が生きていくうえでは「法よりも道徳が上位」です。法で処罰するのは、道徳よりも低い次元の「絶対に許されない最低限の行為」にすぎません。
しかも、「道徳的に許されない」という事件が頻繁に起こって社会問題化してから、やっと法整備され(事件がさんざん起こってから法律が作られ)ることがほとんどです。
またストーカー規制法や個人情報保護法など、きめ細かく法律を作ったつもりでも、これを悪用して「おいしい汁」を吸う人までいますから、やたらと法律が多いと、かえって「法によって苦しめられる人」がでてくる可能性があります。
「法」に苦しめられる
少々、脱線するようですが、法律があるおかげで助けられる人もいますが、法律があるばかりに苦しめられる人もいます。
一例をあげますと、
内縁関係の夫婦(事実婚ではなく、実際には同棲なのかもしれません)が別れました。共同生活中の費用は男性が負担していたので、費用の精算ため協議をしようともちかけたところ、女性は支払いを嫌がって逃げまわり、ついには警察に「ストーカー被害に遭っている」と申し出ました。(実際の話を改変して掲載しています。)
その男性によると、警察は女性の主張だけを信じて、その男性(元の内縁の夫)をストーカーと断定して警察署に呼び、「二度と近づかない。その女性の荷物などは、男性が宅配便で送り返す。返却の費用は男性が負担する。」という誓約書を書かされたとのことです。その男性によると、その誓約書を書かなければ、すぐに逮捕・起訴すると言われたので、仕方なしに書いたとのことです。
ストーカー規制法をうまく(不正に)利用したといえるでしょう。
婚活サークルと詐欺
詐欺事件であれば、警察に相談してください。「婚活」に関連して、お金をだまし取られたような場合には、警察でも被害届を受理してくれると思います。告訴状の提出も考えたほうがよいかもしれません。弁護士事務所に相談に行った方がよいでしょう。詐欺ではなく、「だまされた」だけということなら警察では受け付けてもらえないでしょう。
とにかく、だまされないように気をつけましょう。婚活サークルなどで「この人ならいいかな」と思う人と出会うと、「もしかしたら既婚者かも・・・」「もしかすると、現在の妻と離婚するという話は嘘かも・・・」と感じても、自分の希望通りであってほしいという気持ちが優先して、なかなか決断ができないこともあるようです。
相手を疑い過ぎたりしては、せっかくの出会いをフイにしてしまいます。かといって慎重になりすぎると世間を狭くします(自分の人生の選択肢を少なくしてしなうかもしれません)から難しいです。
予防するには
怪しいと思ったら法的トラブルが生じる前にいろいろと調べてみましょう。
最近は個人情報保護法などがあって、自分の情報を隠すことで被害が防げるようになった反面、犯罪を防止したり解決するのが難しくなりました。相手の氏名・住所・勤務先がわからず、また身分や勤務先を偽っても、確かめるのが困難になりました。
行政書士は職権で、人の戸籍謄本・住民票などを取得できますが、それはあくまでも職務上必要で、法で許されている場合です。「いま交際している人の家族構成を調べたいので戸籍謄本をより寄せてください」といわれても、それはできません。
上の例では、女性を騙した男は既婚者ですから、女性との行為が不貞行為となる可能性もあります。だまされた女性は、男の妻に損害賠償義務(慰謝料を支払う)があるかもしれません。
騙されていたのだから、自分は完全な被害者と思うかもしれませんが、絶対にそうとはいいきれません。「だまされていたのだから慰謝料を支払う義務はない。」という女性と、不貞行為は許されないという妻が、互いに一歩も引かなければ、協議・話し合いでは解決が付かず、訴訟となる可能性もあります。
訴訟で精神的に疲れ、訴訟のための費用がかかって、結局、損をすることにならないよう気をつけてください。
行政書士にできること
行政書士には、事実証明に関する文書を作成する業務があります。
判例によりますと「事実証明に関する文書」とは、「実生活に交渉を有する事項を証明するに足りる文書」とされています。簡単に言うと、「社会生活上の利害に関係することを証明する文書」のことで、たとえば、
- 事故などの調査報告書・業績書・履歴調書・見取図などの作成
- 会議・協議などの資料作成
などがあります。
たまたま知り合って親しくなったのではなく、婚活サークル・婚活サイト・社会人サークル等で知り合った場合には、それなりの証明書類を用意してはいかがでしょうか。独身証明書もあります。
むやみに人を疑っては失礼ですので、自分が怪しい者でないことを証明するのが一番です。具体的なことは、事案に応じて対応しますから、ご相談ください。
病気は自分で治すもの
私が子供のとき病院で、「病気は自分で治すんですよ。医師や看護師はその手伝いをするんです。」と看護師さんに言われて元気が出た記憶があります。(有名な言葉ですね。)
生活上の問題も、自分で解決するという意気込みは持っていてください。自分だけではできないとか、専門家に依頼したほうがスムーズに進むから依頼すると考えるとうまくいくことが多いです。ご本人の考えを確認することなく、「専門家に任せなさい。」といって勝手なことはしませんからご安心ください。
ですから、こちらから業務を受任するための勧誘をすることもありません。
そのように積極的に解決しようとなさっている人には、当事務所でも協力を惜しみませんので、時間外でも休日でもご連絡ください。24時間、いつでも対応できるとは断言できませんが、夜11時過ぎに相談のメールが来ることは珍しくありません。12月31日とか、1月2日という連絡もあります。
中原区 東横線・南武線の沿線の行政書士事務所です
川崎市中原区を本拠としていますが、出張もいたします。
メールでのお問い合わせもお気軽にご利用ください。問い合わせ欄からでなく、saicaps8@〜に直接お送りいただいても結構です。
メールの場合は、一般的なことなら無料相談としています。聞き間違い・勘違い等、あとから訂正することもありますから、発信番号は「通知」でご連絡ください。守秘義務がある国家資格者ですからご安心ください。
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