行政書士の選び方

行政書士業務ではありませんが、例え話なのでしばらくお付き合いください。

 

ある程度の年齢になると、白内障の手術をなさる人が多くなります。白内障は、眼のレンズの役目を果たす部分が濁ってしまったので、これを除去して、人工のレンズを入れるという比較的シンプルな手術だそうです。

しかし、入れるレンズには、

  • 近くがよく見えるタイプと
  • 比較的遠くが見えるタイプがあって、

患者自身がどちらかを選ぶことになります。(多焦点レンズ・遠近両用レンズもあるとはいえ、現在のところ、性能があまり良くないそうです。)

もし現在、私が入れるとしたら、デスクワークとか書類を読むことが多いので、近くが見やすいものがいいかと思ったのですが・・・。

 

読書が好きだから近くが見やすいレンズを入れてもらったという人が実際にいます。

確かに本は読みやすいものの、一日の中では、テレビを観たり、買い物に行ったり、遠くのビルや山々をみる時間が結構ありますが、そういうときには見にくいと聞きました。

 

 

ご本人の本当の意思

そうすると、やはり読書のときには眼鏡を掛けて、普段、テレビを観たり、外出するときには眼鏡なしで遠くが見えた方が快適そうなのです。

そういう話を聞くと、そのとおりだなと思います。手術の前に担当の医師から説明があったはずです。

レンズには近く用と遠く用があるという説明はあっただろうと思います。しかし、

「読書が好きだから近く用レンズを選びます。」

と患者が返事をした場合、医師としてはどう説明するのがよいでしょうか。

「読書が好きでも読書のときは眼鏡を掛け、普段、テレビを観たり外出するときに眼鏡が不要な方が快適ですよ。」と説明すべきでしょうか。

このように説明しても尚、近く用レンズがよいというなら、それはもちろん近く用レンズの手術をすればよいでしょう。

ルール上の問題がなくても

私が今まで見聞したかぎりでは、とにかく遠く用のレンズを入れるのが一般的で、読書が好きな人でも、読書のときだけ眼鏡を使用するのが便利そうなのですが、そのことを医師がどのくらい丁寧に、熱心に説明すべきでしょうか。

ひととおりの説明をして、あとは、

 ご希望のレンズに○をつけてください。

 挿入するレンズは:

    遠く用

    近く用

 を希望します。

    年月日 署名  押印

というような書類を作っておけば、ルール上はおそらく問題はないでしょう。

お節介と親切

長々と、彩行政書士事務所の業務と関係のないような話を書きましたが、内容証明示談書・合意書・遺言書遺産分割協議書など、どの程度アドバイスをしたら親切なのか、それともお節介なのか、押しつけなのかの判断が難しいことがあります。

 

いくらご本人の希望でも、これでは将来きっとトラブルになるということはやんわりと申し上げますが、トラブルになっても構わないという人もおられるし、真剣にこちらのお話を聞いてくれない人もおられます。

また、トラブルを避けようとするあまり、依頼人の権利を縮小させてしまったり、ご本人の意思表示を弱めすぎてもよくありません。

  • どの程度丁寧に説明するか、
  • どの程度理解してもらえるか、
  • ご本人がどのような結果を思い描いているか、
  • 本人の相手方はどのような人か、

というようなことを総合的に考えて対応することになります。

この場合、ある程度、私とご本人(相談者さん)と気が合う・考え方が似ていると、うまくいくことが多いです。また、私の経験等を重視してお話を聞いていただけるとスムーズに進行することが多いです。

何度も経験することではないので

それは病院の医師との関係でも似ているでしょう。同じ病気の治療をするにしても方法が異なることはよくあります。

私の風邪は喉から始まるので、まず喉がイガイガします。イガイガの具合によって、一晩ゆっくり休めば良くなるのか、それとも早く病院へ行った方がいいのか、たいていは自分で判断できます。

その判断を誤って病院へ行くのが遅れると、喉の痛みが急速に悪化し、熱・鼻水・咳などに悩まされます。ずっと以前からなので、どの医師がどういう処置をして、どういう薬を処方してくれるのかは、ほぼ予想がつきます。「この症状だから△△医院へ行こう。」と決めます。

他にも、私は肩こり性で、肩や首が凝って、頭が持ち上がらなくなることがあります。これもどの医療機関へ行くと、どういう治療をしてくれるかは予想がつきます。だから行く病院(施術院)も決まります。

人間万事塞翁が馬

同じような問題でも行政書士によって対処の仕方が異なるでしょう。方法は異なっても、最後は同じところに行き着くかもしれませんし、場合によっては、行き着くところが異なるかもしれません。本人にとって、どこに行き着くのが最善なのかは、誰にもわからないのではないでしょうか。事前にもわかりませんし、結果が出た後もはっきりとはわからないのかもしれません。「もしあのとき〜していれば・・・」と考えてみても、ほとんど意味がありません。「人間万事塞翁が馬」「禍福はあざなえる縄のごとし」。どのような展開になるかはわかりません。

もしあなたがAさんとBさんと交際していて、あなたはBさんと結婚したとします。20年後とか40年後になって、

「もしあのとき自分がBさんではなくAさんと結婚していたら・・・」

と考えても、今より幸せになっていたのかどうか判断できないでしょう。考えてもわからないし、きりがありません。ある程度は運命だと私は思います。運命を潔く受け入れるというのも、幸せへの第一歩のような気もします。

 

 

二人三脚

自分の健康のことなら、同じ症状のとき、何度もいくつもの病院へ通ってみると、いろいろなことがわかってくるのですが、行政書士事務所に頻繁に通う人はいないでしょう。特に彩行政書士事務所のように個人的な権利義務のような相談は、そう頻繁に起こるものではありません。

友人知人に

「よい行政書士事務所か弁護士事務所、知らない?」

と尋ねると、

「知らないなぁ。でも真面目で、知識経験が豊富で、安いところを選ぶには、できるだけたんさんの事務所に連絡してみるといいよ。」

というようなアドバイスを受けることがあるようです。

 

しかし、そういうことを実際にやってみると・・・疲れるんです

事情や背景を壱から話すというのはとても大変です。また、何度か話すうちに、説明が上手になることもありますし、説明に疲れて雑な話し方になってしまう場合もあります。聞いている方も、その話し方に反応して、聞き方やアドバイスも変化するでしょう。

 

彩行政書士事務所でももちろん受任の前に事情の概略をうかがいますし、面談のときにはさらに詳細にお話を伺います。余計だと思われるようなことも伺っておくと後々参考になることもありますので、場合によっては長い面談になるかもしれません。

面談や業務依頼前の、予約連絡・相談内容の概略説明は、その準備段階ですが、だいたいのことはおわかりいただけると思います。ここで決断していただかないと、上で紹介しましたように、

「40年前に、AさんとBさんとどちらと結婚していたら、現在の自分は一番幸せだったのか?」

という疑問と同じことになってしまいます。一度決断したらその後は「二人三脚」のように協力して行けたらと思います。

こちらから提案やアドバイスもいたしますが、「それよりも、こういう結果になるようにしてほしい。」というお話をいただければ、ご希望に添うよう努力します。私の提案やアドバイスに反対していただければ、ご本人が本当に望んでいることがわかりやすくなります。無理なことは無理だと申し上げますので、遠慮なくお話しください。

行政書士 川崎

営業時間は一応記載してありますが、心配なことがあるときは一刻も早く相談したいことと思います。時間外にメールをいただいた場合は、気づき次第メールでご返事するようにしています。ただ、どういう状況か、ご希望は何なのかなど考えながら返信しますので、考えたり書いたりする時間をいただきたいと思います。

営業時間外の電話も私個人のスマホに転送し、食事中でも買い物中でも、きるかぎりすぐに対応できるようにしています。場合によっては、少しお話を伺った後、もう一度お電話することになるかもしれません。

祝日・夜間・土曜日・日曜日

たとえば、『金曜日の夕方に心配事が生じ、祝日・夜間・土曜日・日曜日は営業時間外だから我慢して、月曜日の朝一番にご連絡いただき、今日中に示談書等を作成したい』といわれるよりも、金曜日の午後8時にでもご連絡いただいた方が、私自身も業務がしやすいですし、土曜日・日曜日に面談ができるかもしれません。

早めにメール・お電話をいただきたいと思います。

 

(説明の都合上、本文中で白内障の手術やレンズについて書きましたが、不適切な点があればご教示ください。)