電子内容証明サービス
内容証明郵便は縦横の文字数が決まっています。規定に収まるように書面を作成するのは、慣れないと意外と難しいかもしれません。
ネットを使って発送する「電子内容証明サービス」もあって、これは文字数の制約はやや緩やかですが、これは米国 Microsoft 社製のワープロソフトと、 Windows を一定の条件にセットして、それから郵便事業会社にあらかじめ申し込みと登録をしておかなければ使えません。たいていは最新バージョンは使えませんので、電子内容証明サービスを使うのでしたら、最新バージョンではない状態のパソコンを専用に用意しておいた方がよいでしょう。かなり頻繁に扱う人でないと電子内容証明サービスは使えないと思います。
内容証明と意気込み
また、電子内容証明サービスを使わない理由は他にもあります。内容証明郵便を受け取る人からすると、たとえば
- 「誕生日プレゼントの花束をネットで注文し、メッセージ欄に記入したお祝いの言葉を印字してくれるサービス」を使うのと、
- 「誕生日会に行く途中で花屋さんに寄り、手書きのメッセージカードを花束に付けて贈る」
くらいの違いがあるような気がします。
弁護士さんが「△△の件。△△日以内に全額支払わなければ、訴訟を提起します。」という通告をするだけなら、ネットの内容証明で十分だと思う(もちろん法的にも問題ない)のですが、彩行政書士事務所では、ほとんどのことは協議と示談が現実的だと考えています。できることなら裁判は回避して、協議を通じて示談で解決することを原則としていますので、説明や提案などが書いてあるのが普通です。
一度、内容証明を送り、その後は書面やメールでの協議をして、最終的に示談書・合意書で清算と将来的な蒸し返しを避ける工夫をして、それで終了です。(当事者に協議する態度がないので訴訟にするという場合は、弁護士事務所に相談できるよう手配できます。)
彩行政書士事務所では紙に書いて押印するタイプの方が、意気込み(気持ち・気合い)が伝わると考えています。
(ネットで花束を注文するのがよくないといっているわけではありませんので、誤解のないようお願いします。)
縦横の文字数
彩行政書士事務所サイトの他のページでも書きましたが、
縦書きの場合
- 1行20字 1枚26行 以内
横書きの場合
- 1行13字 1枚40行 以内
- 1行20字 1枚26行 以内
- 1行26字 1枚20行 以内
という書き方があります。
専門家は上記の規定の範囲内で、自分のスタイル(自分流のレイアウト)をもっていることがあります。
文字の修正
文面を間違えたのではなく、文字(または記号)を訂正・挿入・削除しなければならない場合は、「その字数及び箇所を欄外又は末尾の余白に記載し、これに押印し、訂正又は削除に係る文字は明らかに読み得るよう字体を残すこと」と決められています。
実際にはそのようなことはせず、書き直し(パソコンで書き直してから改めてプリント)をしたほうがよいでしょう。
しかし、書き直しをしている時間がないなど理由があれば、修正するしかありません。
1行の文字数が増える
たとえば
- 「△△月△△日付にて売買契約の成立した神奈川県川崎市中原区AAA町△△番地の建物」
と書くべきところ、間違えて
- 「・・・中原区B町△△番地・・・」
と書いてしまった場合に、B町をAAA町に書き換えたら(Bに線を引くなどして、欄外などにAAAと書くと)、1行の文字が事実上2文字増えることになります。
1行の文字数には制限があるのですから、この場合2文字増えてしまって、内容証明郵便の規定に合わなくなるのではないかと心配になります。
しかし、その点はよくできていて、訂正や挿入部分は字数に数えず、「文字の訂正又は挿入により520字を超えた謄本は、料金の支払に関してはこれを2枚として計算」することになっています。
つまり訂正や挿入によって事実上、1行の文字数をオーバーしてもよいのですが、1枚の文字数が520字を越えたら、2枚とカウントして料金がアップします。たいていは、規定の行数に満たない行が結構あるので、1枚の文字数が520字を越えることはないと思います。
そういうことを担当の人(郵便認証司さん)は間違えないようにやっているので、内容証明郵便を郵便窓口で提出してから待ち時間があっても仕方がないでしょう。私は、つい「忙しいのに、お手数をかけて恐縮です。」とお礼を言ってしまいます。
文面は自分で作成
ご自身で内容証明の文面は作成したものの、縦横の文字数がうまく揃えられないという場合は、「内容証明郵便 清書サービス」をご利用ください。現在のところ1通(何ページでも)6千円でお引き受けしています。