不動産の対抗については【対抗】のページに記してありますが、ここでは簡単ではありますが、動産の対抗について書いておきます。ここをお読みになる前に、不動産の対抗のページを先にご覧いただいた方がわかりやすいと思います。
動産の対抗
不動産(土地・建物)は持ち歩けませんが、カメラとか時計とか万年筆なら手に持っていることもできます。
たとええばマニアが好むような万年筆を持っている人に、
- Aさん:「あなたの万年筆を売ってくれませんか? なるべく高く買います。」
- Bさん:「私は別に万年筆にこだわりがあるわけではないので、これを手放してもいいですよ。」というやり取りがあっても、特に怪しいとは思わないでしょう。
民法178条に
「動産に関する物権の譲渡は、その動産の引渡しがなければ、第三者に対抗することができない。」
とありますので、引渡しがあれば第三者に対抗することができることになります。
引渡し
問題は「引渡し」ですが、引渡しには4種類あります。
- 現実の引渡(民法182条第1項):万年筆の所有者が購入者に渡す
- 簡易の引渡(民法182条第2項):万年筆を1週間試用した後、相手が気に入ればそのままお金を払って所有するなど、所有者に一旦返すという手間を省く
- 占有改定(民法183条):今日、万年筆を売ってしまうが、元の所有者がもうしばらくの間その万年筆を使い続ける
- 指図による占有移転(民法184条):1か月間、万年筆をCさんに貸してあるけれども、Cさんに貸したまま、BさんがAさんに売る。1か月が過ぎたらCさんはAさんに渡す
「第三者」については、不動産の【対抗】のページをご参照ください。
以上、動産と不動産では「対抗」の仕方が異なるということを書きたかっただけです。大雑把に書きましたので、正確なことは専門書をご参照ください。
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