建築業者に内容証明を送る

マンション・自宅などの補修

「マンションを購入しました!」

マンションとか戸建住宅とか、自分の住まいを新築で手に入れたけれども・・・補修の必要な箇所なありませんか。

引渡し前ですと、キズ・汚れなどの補修も含めて手際よくやってもらえるのですが、入居後、数週間・数か月など経過してしてから、床が斜め・窓が閉まらない・雨水が滲みてくるなどということがわかることはよくあります。補修内容によりますが、一定期間内なら保証期間でしょう。

ある程度大手の建築業者・販売業者ですと、お客様センターのようなものがあると思います。電話連絡して、状況を説明すると

「承知しました。担当部署に知らせます。」

と明るく言われて、修理してくれるなら問題はありません。

ところが、そのまま1か月・2か月が経過しても、補修どころか状態を見にも来てくれないということが珍しくないのです。

お客様センターにもう一度電話で説明して、検討していますと言われて、そのまま音沙汰がない・・・3か月経過・・・ということもよくあります。

業者さんが責任をもって対応する修理(瑕疵担保責任)というのが法定されていますので、補修・修復にはどんな対応があるのか簡単にみてみましょう。

キズ・汚れなど

引渡し前、引渡し時に、担当係員と一緒に見て回る機会があるでしょう。このときに指摘したものはたいてい直してくれると思います。

このときに見落とした少々のことは、後々、大問題にはならないと思います。(ただし、直してもらえない可能性は高いでしょう。)

隠れた瑕疵

「瑕疵」という言葉は法律ではよく使います。「かし」と読みます。欠点・欠陥のような意味です。「隠れた瑕疵」とは、購入時・引渡し時にはすぐにはわからない欠点・欠陥です。

たとえば、中古車を購入したときには気づかなかったけれども、1週間くらい乗ってみたら、どうもエンジンの調子がおかしいとか、オイルが少しずつ洩れているというような例です。

住宅・マンションの場合ですと、日常生活に支障があるとか、長期間住むのにこれでは耐久性に問題があるだろうというようなものです。

買主からみれば、購入時にはわからなかったものですから、後になって言うのは当然です。売主も故意のはずはありませんが、うっかり生じてしまったものでも修復する必要があります。これを瑕疵担保責任と言います。

瑕疵担保責任

隠れた瑕疵が発見された場合、売主(業者さん)に報告して、修復してもらうことになります。瑕疵を売主が修復する責任が法定されています。

民法では

民法とは身近で基本的な法律です。民法上の瑕疵担保責任は、

  • 売主が故意でもなく、また過失がなくても修復の責任を負う。
  • 買主は、損害賠償請求・契約解除を請求できる。
  • 瑕疵担保責任を追求できる期間は、買主が瑕疵を発見した日から1年以内。

というものです。

宅地建物取引業法では

民法は、一般的すぎて役に立たないことがあります。もっと範囲を特定のものに絞った法律があります。

宅地建物取引業法によると、買主に不利な特約を付けることはできないのが原則ですが、瑕疵担保責任の期間については特約をしてよいことになっていて、瑕疵担保責任の責任を負う期間を、物件の引渡しの時から2年以上と規定しています。

民法との違いは

  • 民法:瑕疵を発見した日から1年以内。
  • 宅建業法:物件の引渡しの時から2年以上と決めてよい。

ということです。民法のほうが買主にとって有利ですが、あまり現実的でないとも考えられます。

結局、宅建業法を使って、「物件の引渡しの時から2年以内にかぎり、売主は瑕疵担保責任を負う。」というような契約内容になっていると思います。

住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)

上に書きましたように、売主が瑕疵担保責任を負うのは、物件の引渡しの時から2年以内だけとなることが多そうです。

しかし、住宅の主要部分(基礎、土台、床、柱、壁、斜め材、小屋組、横架材、屋根、及び雨水の侵入を防止する部分)は2年でも発見できないこともあるので、売主が瑕疵担保責任を負うのは、引渡した時から10年間と決まっています。

品確法で重要な点は、

  • 売主に故意・過失が無くても責任を負わなければならない。
  • 買主は売主に対して、損害賠償・補修の請求ができる。
  • 買主は契約解除できるが、それは売買契約の場合で修補不能な場合のみ。
  • 買主が売主に責任追及できるのは、基本構造部分について10年間。

と規定して買主を保護しています。これらの法律がなかったときは、買主がどれだけ気の毒な状況だったかということです。

 

 

内容証明郵便

お客様センターにお知らせしただけで修復してもらえればよいのですが、はっきりした対応をしてもらえないうちに3か月も4か月も過ぎることがあります。

対応する義務が「1年以内」とか「2年以内」「10年以内」のように決まっていますから、たとえば10か月経過していたり、20か月、11年と6か月が経過していると、普通にお客様センターに電話しただけで安心していられません。

そこで、いつ売主側に通知したかがとても重要です。こういうものは内容証明郵便を使ってください。売主側も電話は無視しても、内容証明郵便を無視はできないでしょう。

期間ぎりぎりになって内容証明郵便を使うのではなく、早めにお客様センターに電話して、しばらくしても回答・対応がなければ内容証明郵便を出した方が安心です。

そうでないと、

  • 「今になって言われても、もう期間が過ぎている。」
  • 「そんな電話連絡は受けていない。」
  • 「誰が電話を受けたのかわからない。」

などと言われてしまうかもしれません。建築会社にかぎらず、このようなことはよくあります。

このように、事実関係(通知したということ・通知の内容)を書面で残すことは大切です。事実証明に関する文書作成をお引き受けします。

 

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