記事が長くなるので先に結論を言いますと、
「電話では、通信状況などによって聞き取りにくいことがあるので、大切なことはメールのほうが安全に伝わる。」
ということです。
以下、お暇があればお読みください。
聞き取りにくい例
いわゆるダブル不倫の場合など、双方の夫婦の家計から支払われる慰謝料は結果的に同額のことが多いです。双方が同額を支払って「チャラになる」といえばわかりやすいのですが、示談書や合意書に「チャラ」と書くわけにはいきません。いろいろな書き方が可能ですが、要するに相殺するということです。
相殺とは、たとえば
- AさんがBさんに100円貸していて、
- BさんがAさんに100円貸している場合、
AさんがBさんに相殺を主張すれば貸し借り関係は終了します。
この場合、AさんからBさんに対する権利が「自働債権」で、
BさんからAさんに対する権利が「受働債権」です。
- 自働債権は「じどうさいけん」と読みます。
- 受働債権は「じゅどうさいけん」と読みます。
これらを聞き間違えないように、便宜上、自働債権を「みずから債権」、受働債権を「受け方債権」のように言ったりすこともあります。このような言葉は電話では非常に聞き取りにくいです。
聞き間違い防止
昔ながらのNTTの固定電話同士なら聞き間違いはほとんどないかもしれません。
スマートフォンなど電波を使う通話が多くなりましたし、インターネット経由の電話もよくあります。
状況次第でしょうが、音声が聞き取りにくいことがあります。技術的にどういう理由かわからないのですが、以前よりもかなり良くなったものの音声が非常に聞き取りにくいことがあります。
アメリカ映画などで、「ラージャ(ラジャ)」というのがあります。「了解しました!」ということですが、正確には、「あなたの指示をきちんと受け取りました。」ということです。
「受け取った」が received で、その頭文字が 『 r 』 です。わが国では無線などで、「あ」と言うときに「朝日の『あ』」と言っていました。米国では A、B、C などとは言わずに Alpa, Bravo, Charlie のように言うようです。通常、r は Romeo の r というのですが、米軍では 「Roger の r」と言います。これを簡略に「ラジャ」で済ませるようになったそうです。
電話の方が便利
以前は、営業・勧誘電話にインターネットを用いる業者さんが多く、音声が不明瞭、通信が短時間途絶えるなど不便でした。最近はそういうことはかなり減りました。
先日、「『にんしょうしんりし』のことなんですが・・・」という電話を受け、そもそも音声状態が良くないうえ、『認証心理師』という私の知らなかった名称をいわれたので、聞き取りに苦労しました。
電話ですと、このようによく聞き取りに苦労することがありますが、メールならその心配はありません。
ケガについての示談書を依頼され、面談して状況をうかがったことがありますが、書面を作成しているときに、ケガが右手なのか左手なのかがわからなくなりました。こういうときはメールでもいいですが、ほんのひとことで済むことなので電話をしました。
また、ちょっとしたニュアンスや印象などを知りたいときは、文章にするよりも口頭の方がわかりやすいので、やはり電話を使いたくなります。
メールを使うとき
予約の際に、行政書士業務かどうかの確認を兼ねて、ご相談の概略をうかがいますが、電話の場合に、よく聞こえなかった・聞き間違いでした、ということがないともかぎりません。予約電話で大きな間違いは生じないと思いますが、気になるようでしたらメールをお使いください。
また、電話の音声の問題ではなく聴力の弱い人もおられますから、誤解のないように気をつけてはいますが、特に数・日にち(「27日」を「にじゅうしちにち」というと「21日」と間違えるかもしれません。)・金額などのことはメール等の文章で確認しています。