悪意

法律用語で「善意」とは「知らない」ことであり、「悪意」は「知っている」ことを指すのは有名ですが、そうではない例もあります。

悪意の遺棄

770条第1項、814条が離婚、離縁の原因として「悪意の遺棄」を挙げています。
悪意の説明の前に「遺棄」の意味を確認しておきますと、「夫婦は同居し、協力し、扶助するなどの義務があり」ますが、そういうことをしないことが「遺棄」です。遺棄は日常語では「捨てる」ですが、「お付き合いしていた相手から捨てられる」というのとはまたニュアンスが違いそうです。

夫婦の義務」というと聞こえが悪いですが、通常の夫婦であれば当然、そういうことをしますよね、というのが本来の意味です。法律以前の問題です。夫婦仲が悪くなってくれば、本当に権利・義務の問題になるかもしれません。

離婚原因

離婚原因などの条文を読むとき、「配偶者を助けることにならないと知っている」という意味だと解釈すると、あまりピンときません。簡単に言うと「相手に意地悪をするつもりで、同居をせず、助けることもしない」という意味だと考えていてよいでしょう。

悪意の遺棄は離婚原因の一つに挙げられています。短期間「遺棄」しただけでは足らず、数か月から1年弱の期間を要するようですが、単純に期間を定められるものではなく、態様・遺棄の意思などが重要でしょう。

悪意の遺棄となりそうなもの

  • 同居しているのに生活費を渡さない
  • 正当な理由がないのに同居しない
  • 浮気相手と暮らしている
  • 相手をいびり出そうとする
  • 義理の父母とうまくいかず、また助け舟を出してくれない

上記は一例で、こまかく言えばたくさんあります。

 

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