夫婦の財産
婚姻関係にある男女(簡単にいえば「夫婦」)の財産関係は本来はとてもシンプルです。
「自分の財産は、自分のもの」
ということです。
戦後、我が国の「個人主義」は、西洋などでいう個人主義とは別の意味合いをもつ個人主義になったのだそうです。(どのように異なるかは専門書をご参照ください。)
民法第762条
1,夫婦の一方が婚姻前から有する財産及び婚姻中自己の名で得た財産は、その特有財産(夫婦の一方が単独で有する財産をいう。)とする。
2,夫婦のいずれに属するか明らかでない財産は、その共有に属するものと推定する。
また、「自己の名で得た財産」とはいっても、夫が購入した土地を、夫婦合意の上で妻名義としても、それだけでは妻の特有財産とはならないとされるようです。対外的には特有財産でも、夫婦間では共有財産としている例もあります。
特有財産かどうかは、専業主婦に不利になる可能性があるので、離婚や配偶者の死亡のときに問題になることがあります。その場合の「共有財産」の認定の仕方は、婚姻後、どちらの名義で得た財産でも2分の1ということが多いと思います。
しかし、夫と妻が独立して収入を得ているケースが増えてきたために、昨今では特有財産と共有財産はわかりやすいケースが多いようです。