不倫の慰謝料の相場
不貞行為による精神的損害賠償請求(不倫の慰謝料請求)をする場合、その額がいくらなのかということは大変難しい問題です。そもそも「金銭で解決できるのか?」ということもあります。
一般的には、受け取った慰謝料を医療費に当てることができるでしょう。配偶者の浮気・不倫・不貞行為で、うつ状態や不眠などに陥る人が多く、通院していることがよくあるからです。
慰謝料というお金をもらうことが目的ではなく、不貞行為・交際をやめさせること、謝罪させることが重要だという人もいますが、慰謝料をとることで精神的に区切りがつくことも多いようです。
慰謝料を趣味や旅行などに使って、気分転換をすることも考えられます。
ですから、不倫の慰謝料を請求する、支払うということは大切だと思います。
しかし、いくらにしたらよいのかわからないので、
という相談を多くいただきます。
よく「300万円」という額が聞かれます。
しかし300万円なのか、10万円なのか500万円なのかは、当事者が考えることです。まずは「主観的判断」によります。
私の知る限り、10万円から1千万円まであります。(「慰謝料ゼロ円」もあります。) 平均額は算定できませんし、統計というのもほとんどアテにはなりません。
行政書士が、それを少なすぎるとか、多すぎるから変更するようにとはいいません。ただし、後日に備えて裁判例の紹介や法規上のアドバイスは可能です。
慰謝料請求される側と慰謝料請求する側の協議・話し合いがまとまらなければ、裁判所でということになります。「客観的判断」になります。
「主観」と「客観」にズレがあるのは仕方がありません。
裁判官に決めてもらうとなると、従来の裁判例や個別の状況などを考慮してということになります。
裁判は、よく言われるように、時間・費用・労力がかかります。
もっとも労力は、すべてを弁護士任せにすれば、それほどではないかもしれません。費用は増します。
不倫の慰謝料請求で訴訟
不倫の慰謝料請求に対して、減額の申し出があり、その結果、双方の意見が一致せず訴訟をすることになると、慰謝料請求する人のなかには、
- 慰謝料の額を当初の請求よりも増額して訴え、
- 訴訟費用を相手方に支払わせ、
- 弁護士費用も相手方に負担させる、
という内容証明を送る人がいます。
訴訟費用は裁判所に支払う手数料のようなもので、不倫の慰謝料請求全体からみると、問題にならないくらいの額だと言ってよでしょう。「それっぽっちでいいのですか?」というほど安いです。訴訟で費用がかかるのは弁護士費用です。
弁護士費用も相手に請求
弁護士費用は、訴訟で勝っても負けても、「自分が依頼した弁護士に支払う費用は自分で支払う」のが原則(自己負担)で、相手(不倫の慰謝料請求をされた側)に支払わせることができる場合も10パーセント程度のようです。これは非常に大雑把な話で、実際は弁護士事務所にお尋ねください。
不倫の慰謝料の減額
不倫の慰謝料請求をする側は、普通は怒っていますから、「主観的」に大きな額を請求したくなると思います。もっとも、専門家に相談するなどして、初めから妥当な額を請求する人も多いです。
不倫の慰謝料請求をされる側としては、たとえ相手の主張どおりに支払いたいと思っても、必ずしもその額を用意できるわけではありません。
手持ちの現金や預貯金がない場合には、家や土地を売ってでもというなら可能かもしれません。実際、訴訟になって請求額が確定したのに、それだけの現金がなければ、家や土地を現金化して、慰謝料とすることも可能でしょう。
しかし、パンを1個盗んで10年の懲役刑では、バランスが悪すぎて認められないのと同様、不倫の慰謝料請求をする人の(主観的な)請求額が高すぎることもあります。
「今後、毎月5万円を一生振り込んで支払いなさい。」という主張も聞いたことがあります。こういう合意書・示談書・契約書を作成しないためにも、専門家に相談したり、合意書等の作成を依頼したほうがよいでしょう。
請求された側としては、不倫の慰謝料の減額や請求の変更等、再検討するように申し出ましょう。
普通は、500万円の慰謝料を支払わせたいと思っても、なかなか思い通りにはいきません。何が何でも500万円で、一歩も譲歩しないというのでは、おそらく解決しません。実際、一歩も引けないという方もおられますので、そういう場合は訴訟をしてみるしかありません。
示談や協議には、常識と譲歩、解決への意欲が必要です。その方が、後の日常生活のダメージが小さく済むことがあります。
不倫の慰謝料請求の協議
「何が何でも譲歩すべき」と言っているのではありません。
あなたが「公園のベンチにおにぎりを置いたまま手を洗いに行き、戻ってみたら他の人が食べようとしていた」とします。戻ってきたあなたと
「これは自分のものだ」
とお互いに言い争いになったとき、盗った人が、
「お互いに『これは自分のだ』と言っていても水掛け論だから、お互いに譲歩して半分ずつにしよう。」
と提案したら、あなたはその譲歩案を受け入れますか?
それはだめですね。
なぜなら、これは「水掛け論」ではないからです。刑法上の問題はともかくとして、常識的に大雑把に考えますと、あなたの主張が100パーセント正しいのです。しかし、実際に、
「なるほど半分ずつにすれば、穏便に解決する」
と思う人もおられるようです。
行政書士は、協議に立ち会って、法規の説明をすることはありますが、
「こうしてください。」
「あなたのほうが悪いです。」
と言うことはありません。しかし、第三者として聞いていると、上のような「間違った水掛け論」を耳にすることがあります。
協議の記録、事実証明書、合意書案を署名押印する前に検討してみれば、当事者自身がたいていは自分でわかることが多いです。その結果を書面にすることが重要です。川崎市中原区の彩行政書士事務所では、協議書・合意書・示談書・契約書作成をサポートしています。
不倫の慰謝料請求をするにしても、不倫の慰謝料請求をされたとしても、当事者が協議結果に納得すればよいのですが、なるべく客観的に妥当な結論にしたほうが、将来的にも満足できるものになると思います。
そのときはよいと思っても、後で考えたら、腹が立ってきたという経験はありませんか?
妥協して遠慮しすぎたという場合もあるでしょうし、強くやりすぎたと後悔することもあるかもしれません。
川崎市中原区の彩行政書士事務所
彩行政書士事務所は、川崎市中原区に本拠をおき、武蔵小杉・元住吉で面談等をしています。
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