不当利得
損害賠償請求という言葉はよく耳にします。これと少し似たような感じのする「不当利得の返還請求」があります。内容証明郵便を送るときには区別してください。
不当利得とは、
- 他人の財産または労務によって利益を得たこと
- そのために他人に損失を与えたこと
- 受益と損失との間に因果関係があること
- 法律上の原因がないこと
が必要とされています。
大雑把に言いますと、「理由もないのに得をして、そのために損をした人がいる」ということです。
不当利得の返還請求
契約により、相手から金銭や物品を得たのに、契約無効や契約取消になったとすると、金銭や物品を返さなければなりませんが、これが不当利得の返還請求であって、損害賠償請求ではありません。
不当利得がある場合に、
- 不当利得者が善意であるとき:現存利益を返還する。
- 不当利得者が悪意であるとき:受けた利益に利息を付し、他に損害があれば損害賠償もする。
ことになっています。不当利得の返還と損害賠償請求はまったく無縁なわけではありません。
非債弁済
債務がないのに、債務があるのだと思って弁済することを非債弁済といいます。この弁済を受けた人は、法律上の原因を欠く不当利得となりますから、弁済した人は不当利得返還請求ができると思われます。
ただし、以下の場合には不当利得返還請求が認められないことがあります。
- 債務がないことを知りながら弁済した場合
- 期限前に弁済した場合
- 他人の債務を自分の債務だと誤信して弁済した場合
どのような場合に不当利得の返還請求ができるのかは、複雑ですのでご相談ください。
ただ、個人対個人であれば、難しい理屈を言わなくても解決できるだろうと思います。必要に応じて「合意書」「示談書」などの書面で経緯と結果を記録しておくとよいと思います。
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