時間が経つということ

内容証明郵便、示談書、協議書等のご依頼の際には、
・まずメールか電話で、ご相談内容の概略をうかがって、こちらで対応可能かどうか検討し、
・面談で受任に必要な詳しい情報をいただきます。
・その後、メールを使って最終案に近づけていきます。
概略をうかがう段階では、まだ事実関係の把握が不十分であるなどの事情で、面談をしても書面作成に取りかかれないということはよくあります。

その場合、現状の整理と、今後の見通しだけの面談をしてもよいのですが、情報不足のため面談は遠慮なさる方もよくおられます。あるいは、内容証明郵便示談書、協議書等作成の基礎となる情報の収集方法がわからないとか、当事者間で事態が進行しはじめて、それがひと区切り付くまで面談を待つこともあります。

事実関係や事情がはっきりした段階で面談をしようとお考えの人が多いのですが、私としては途中経過を知らせていただければ、次に用意すべき書類とか、相手方と話し合っておいた方がよい内容などをお知らせすることもできると思います。また、経過がわかっていた方が仕事を依頼されてからの業務がやりやすいですし、良い結果が得られるのではないかと思います。

まだ面談もしていないし、料金も支払っていないうちから連絡しては申し訳ないとお考えかもしれませんが、お知らせいただいた方がこちらは助かります。

出来事は風化する

何か気になることが起きてから数週間・数か月経過してしまいますと、出来事が「風化」する可能性があります。
病気や怪我をしたら治療は早いほうがよいでしょう。同様に、何か起きてからの対応も早いに越したことはありません。遅くなると、だんだん当事者も周囲にも「このままでよいのでは?」という雰囲気が生じがちです。

生物学や医学ではホメオスタシスというものがあって、生物はたいてい現状を維持したがるのだそうです。変化を嫌うといってもよいでしょう。四十肩になって、動かすと痛いからそのままにしておくと、動かないまま固まってしまいます。
元のように動くようにするには、痛いのを我慢して動かさなくてはなりません。遅くなればなるほど、動きは悪くなり、回復の道は遠のきます。(これは例え話ですので、本当に四十肩の方は医師とご相談ください。)
何ごとも慎重にやるのはよいことだと思いますが、原則として、ある程度のスピードは大切とお考えください。

 

 

現状維持

損害賠償請求をする場合にも、何かの出来事の直後ですと、当事者双方が「なんとかしなければならない」と感じているものです。以前の平穏な状態を変化させたくない、つまり早く元の状態に戻したいという気持ちです。

ところが、出来事があってから時間が経つと、「出来事の後」の状態を変えたくないという気持ちが生じがちです。「出来事の前」の状態にするには、手続きとか、場合によっては痛み(費用の支出など)をともなうので、それを避けたいという気持ちが強くなるのでしょう。それなら今のままでよい、出来事の前の状態に戻さなくてよいということです。

そうすれば損害賠償の協議や、お金・書面のやり取りも必要なくなります。これは、さしあたって何もしないので、楽といえば楽、イージーな方法です。かならずしも悪いことだとは思いませんが、悪くいうと泣き寝入りかもしれません。

時効という制度で権利が消滅したり、もともと理由がないのに何かを取得してしまったりということがあるのと同様に、損害賠償などせずにこのままにしておこうということです。

時機をのがさない

法的に時効とならなくても時間が経過すると、当事者(特に加害者)の心理としては、このままでよいだろうという感覚になりがちです。時間が経ってから損害賠償請求などされても、素直に受け入れる気持ちは薄くなっているかもしれません。場合によっては罪の意識(後ろめたさ)も薄れているでしょう。時機・時期をのがさないというのは大切です。

たとえば不倫の慰謝料請求には、相場とされている(よく聞く)額はある程度ありますが、訴訟や当事者の協議で決まる額はかなり幅があります。当事者が決める額は公序良俗に反しないかぎり自由ですし、数万円でよいとか、金銭はいらないから謝罪文と将来的な約束だけでよいなどさまざまです。

自分が被害者であっても、妥当な請求をしなければならないと考える人は多いです。しかし、自分の請求内容が非の打ち所なく正しいかどうか検討しているうちに時間が過ぎていってしまうのも困ります。合意の条件などは相手との関係で決まったりしますから、完全に正確な範囲の要求をするというのは、そもそも無理かもしれないのです。なるべく早い時期に相手にとりあえずの提案をしてみる方が解決につながることもよくあります。(もっともある程度時間をおいて冷静になることが必要なケースもあります。)

ですから、何か気にかかることをお持ちでしたら、まずご連絡ください。
初めての電話でじっくり話すことは困難です。こちらもご相談内容の要点を即座に判断して、先を見通して順序よく一気にお話しできるかというと、ちょっと心配です。
電話の後で「これをお知らせしておけばよかった」と思う事柄もあるのですが、仕事中などでお忙しい人にはなかなか電話がつながりません。また電話を掛けられるのが好きではない人もおられます。メールでしたらサッと読める(読み飛ばせる)ので、メールでのお問い合せも歓迎しています。