お金の貸し借り(借金)は、借りる人が貸してくれそうな人に、
「お金を△△円貸してください。必ず返しますから。」
と依頼し、貸す人が、
「はい、貸します。」
というだけのイメージがありますが、従来、貸す人がその金額を借りる人に渡してから初めて法的に金銭消費貸借契約が成立していました。
このように実際に物を渡さないと契約が成立しない契約を要物契約といいます。
諾成的消費貸借契約
しかし、2020年4月からは、お金の貸し借りの際に、書面(借用書)で契約するなら、実際にお金を渡す前から契約を成立させることができます。諾成的金銭消費貸借契約といいます。
この場合、貸す人がまだお金を渡さないうちから契約が成立するので、お金を受け取っていないのに契約が成立してしまっては、借りる人が心配になるかもしれません。しかし、この契約によって、貸す人は実際にお金を渡す義務を負いますので、お金を渡してくれなければ、借りる人は請求する権利があります。
契約は書面で
契約では電子契約という方法もありますが、知人友人の間でお金の貸し借り(借金)をするなら、書面(紙のもの)にすることをお勧めします。もし電子メール等で内容等の相談をしていたなら、念のため、メールの記録も保存しておくと、後日、何かの役に立つかもしれません。
お金の貸し借りをするなら、まず、借りる人が「書面を作成しましょう。」と提案すべきだと思います。