不倫の慰謝料請求の根拠

不倫の慰謝料請求は可能

自分の配偶者に不貞行為があった場合、離婚するかどうかは別として、不倫の相手方に慰謝料を請求したいというご相談は多いです。
たいていは金額の問題ではなく「けじめ」をつけたいというお気持ちのようです。
実際、不倫の慰謝料請求は伝統的にも法的にも認められています。

不倫の慰謝料 内容証明

不倫の慰謝料請求の根拠

  • 慰謝料はなくてもいいから謝罪文誓約書がほしいということもありますし、
  • 少額でもいいから「不倫の慰謝料」としてもらいたいとか、
  • やはり反省してもらうために「なるべく多額を請求したい」

ということもあります。
しかし、不倫をした配偶者の相手方に、慰謝料を請求できるのか、という法的(学問的)議論があります。興味のある方は【不倫は違法か】をご覧ください。

 

後妻打ち

学問的な裏付けはともかく、配偶者に不倫のような行為があると、悔しいと思うのは人情でしょう。

江戸時代には「後妻打ち(うわなりうち)」というのがあったそうです。
(婚姻関係とか離婚など、夫婦・家族について考える場合、時代によってかなり違いがあります。江戸時代の前期後期、そして明治時代中期以降ではかなり異なるようです。)

不義密通もいけませんし、重婚は結構重い罪ですが、きちんと離婚すれば、その後どうしようと勝手です。きちんと再婚することには何の問題もなさそうです。

しかし、離婚後(女性には事実上「待婚期間」のようなものもあったようなのですが)、男性が30日とか50日以内に再婚すると、元妻は応援の人数を揃えて、竹刀などで後妻を打ち叩きに行ってよかったというものです。「殴りこみ」とか「果たし合い」のイメージでしょうか。

たとえば、夫が妻以外の女性と結婚したくなったとします。重婚は厳しく禁止されていますから、離婚することを考えます。離婚後、その女性と結婚するわけです。
これは、現在の感覚で考えると、問題はないように思います。

しかし、江戸時代の社会通念では、妻と他の女性を天秤にかけ、妻以外の女性のほうがいいから、現在の妻と離婚するというのは「不実離縁」といって、非常に悪いことだったようです。

離婚はしてもかまいませんが、この不実離縁の場合は、「離婚することにするが、婚姻中に親しくなった女性とだけは結婚しない。」という離婚条件がつくことがよくあったようです。

上の例は、夫が妻以外の女性が好きになったという例にしましたが、これは妻が夫以外の男性と結婚したくなった場合も同様です。

他の男性と結婚したいから、まず夫と離婚しようと考えます。妻の側から離婚を申し出る場合も、必ず離婚届(離縁状・三くだり半)は、夫から妻に対して発行しなければなりません。なぜかというと、男性社会というタテマエがあったので、男のプライドを守るためのものだったようです。

これは婚姻期間中に不倫があったというのと同じような扱いで、やはり「不倫はいけない」という社会通念からくるものではないでしょうか。

 

江戸時代の離婚

離婚には大きく分ければ二通りあって、

  • 夫が妻を追い出す
  • 妻のほうから出て行く

がありました。(婿養子の場合は、夫が三行半という離婚届を書きますが、妻を追い出すのではなく、「離婚することにしたから、今後(妻は)誰と再婚しようと構わぬ。」と書いて自分が出て行くことになります。そうでなくても、江戸時代というのは女性の経済力が強いために、立場・発言権等も女性・妻は強かったのです。妻を一方的に放り出すなどということは通常できるものではなかったようです。)

幕府法にしたがってきちんと離婚したのに、なぜ、先妻は後妻を襲っていいいのでしょうか。後妻打ちというものが合法なのかどうかまではわかりません。少なくとも、咎め立てしたり非難する人はいなかったのでしょう。

離婚後30日から50日で再婚したとなると、離婚前から、夫は後妻と不倫関係にあった可能性も高いでしょうし、既にかなり親しかったかもしれません。
そうすると、女性(妻)はプライドも高かったので、自分が追い出されて、直後に他の女性が妻の座に収まると、先妻のメンツをつぶされたと感じたかもしれません。夫を取られたという気がするのかもしれません。

 

不倫の慰謝料請求は妥当でしょう

現在でも、不倫相手に慰謝料請求するのが妥当かどうかという議論はありますが、心情的には理解できることだと思います。

不倫の慰謝料請求をされたときに、謝罪し、慰謝料請求に応じるのは自然なことではないでしょうか。

  • 謝罪
  • 慰謝料の妥当額の調整
  • 慰謝料の支払い
  • 示談書合意書の作成

ということはしておくのが「人として普通」だろうと思います。

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