配偶者の不倫相手に、
- 不倫をやめないと、
- 慰謝料を言いなりに支払わないと、
- 職場を辞めないと、
以下のようなことをしますよ、という人がいます。
- 会社に知らせますよ。
- 親や親戚に言いますよ。
- 友人知人に話しますよ。
- SNSに流しますよ。
こういうことをしはじめると、名誉毀損・強要・脅迫・恐喝などの問題になってしまうかもしれません。
これらが厳密に、何罪に該当して、どのような手続きを経て、どのような罰則があるかは弁護士さんにお任せするとして、こういうことをするのはおやめください。
トラブルにしないこと
内容証明郵便等を効果的に使用し、不法行為を最小限にして、損害賠償(不倫の慰謝料請求・支払い)を円滑に行い、トラブルにならないように協議することをお勧めします。
すぐに内容証明郵便を送るのが適切かどうかというのは場合によります。相手と直接に顔を合わせないのは基本的には良い考えだと思います。
不倫相手と直接自分で交渉して、
- 交際をやめさせ、
- 不倫の慰謝料の授受をして、
- 不倫の清算をすべて(口約束だけで)終了させる人
もおられるようです。当事者がそれで納得して、後日、問題も生じないのであれば、実際には構わないのかもしれません。
不倫の再発・蒸し返しの防止・将来のトラブル防止のためには示談書・合意書(合意契約書)を作成することをお勧めします。
名誉毀損とは
「不倫相手の職場に不倫の事実を通知すると、名誉毀損等になりますか?」
という相談をよく受けます。
名誉毀損とは、人がその品行、徳行、名声、信用等の人格的価値について社会から受ける客観的評価、すなわち社会的名誉を指すものであり、名誉を毀損するとは、人の社会的評価を傷つけること、とされています。
一対一とか、仲間内、職場でのグループで、うわさ話、陰口では、名誉毀損による不法行為とまでは認められないようですが、結果的に、職場での降格、転勤、退職、精神障害を発症するほどに追い込まれるようなことがあれば、損害賠償も可能かもしれません。精神障害の程度はさまざまですが、実際に通院する人もおられます。心配で、腹が立ってよく眠れないという人は結構多いでしょう。
ただ、職場で知り合ったからといって、交際はプライベートな事なので、不倫交際を理由に降格・転勤・退職ということがあり得るのかどうかもお考えください。
不倫の慰謝料請求の際に、名誉毀損・強要・脅迫・恐喝などの問題にならないようにしましょう。
不倫の慰謝料請求
特に同じ職場の人との不倫の場合は、
- 退職すれば不倫の慰謝料請求はしない。
- 慰謝料を支払うとともに、退職せよ。
- 不倫の慰謝料を支払わないと職場の人たちに知らせる。
というように、不倫問題では、不倫の慰謝料請求の額もむずかしいですが、
- 慰謝料請求の他に何を要求するのか。
- 交換条件のようなものはあるのか。
など総合的な判断が必要な場合がほとんどで、名誉毀損・プライバシーの問題も考慮してください。
基本的に、勤務時間外に誰とどのように交際していても会社・職場には無関係だと思いますが、実際には難しい問題が生じることがあります。
名誉毀損があると
不法行為の被害者が、加害者に請求できる損害賠償は「金銭」によるのが原則ですが、名誉毀損の場合には損害賠償に代えて、または損害賠償とともに、新聞・雑誌等への謝罪広告の掲載を求めるというような事態もないわけではありません。
また、公益のために事実を述べた場合など、名誉毀損による不法行為とならないもの(免責されるもの)がありますが、私は現在のところ、そのような件を扱ったことはありません。
不倫の当事者の社会的地位によっては大きな問題になりそうですが、彩行政書士事務所の受任したケースでは、社会的地位の高い人や年収の多い人の場合のほうがスムーズに協議が進むようです。この場合には、示談書・合意書(合意契約書)などの書面を必ず作成すると思います。
すべての協議を内容証明郵便でする必要はないと思いますが、経過と結果は書面できちんと残しましょう。
プライバシー侵害
一般に、他人に知られたくない事実を、不特定の人や多数の人が知ることができるような状態において、それが社会通念上の許容範囲を超えれば、名誉毀損かプライバシーの侵害かはともかくとして、不法行為責任を問われる可能性があると思います。不法行為責任があるのなら、損害賠償請求や慰謝料請求が可能でしょう。
示談書・合意書(合意契約書)
不倫の慰謝料請求と支払いで双方が納得した後、名誉毀損行為やプライバシーの侵害行為をしないことを確認し、書面にその旨を記載しておきます。
ある行為が名誉毀損等の条件に当てはまるかどうかは非常に難しい問題ですので、法律問題にする前に示談をするのが無難ですし、通常です。そうすると、示談書・合意書・合意契約書等の作成が重要です。
示談書・合意書などの書式例は書籍もたくさんあり、ネットでも見本を入手できますが、このような見本では不足のことが多いです。
一般的に、見本・ひな形を修正して使うのは、かなり知識のある人以外はやらないほうがよいと思います。
もし、ひな形を使うなら、金額や名称を変更するだけにとどめたほうが無難です。つまり、金額等を除いては、「ひな形の内容どおりに合意」することをお勧めします。
ひな形はたいていのケースに合うように作成してありますから、もの足りない気がすると思いますが、個別のケースに合わせて、条件などを加えると、文面全体の見直しが必要になることが多いです。そうなると、もうひな形では間に合いません。
実際、それで失敗する人は多いので、あまりお勧めはしません。本末転倒のようですが、ひな形に合わせて合意・示談できないか検討してみてください。
内容証明・不倫の慰謝料の相談
彩行政書士事務所では、内容証明郵便の相談・不倫の慰謝料請求・不倫の慰謝料の減額の内容証明郵便作成、また相続・遺言書の相談や手続きを中心に業務をしています。行政書士業務は多岐にわたりますので、彩行政書士事務所でお引き受けするか、他の行政書士を紹介するか、それとも行政書士でないほうがいいのかは事情を伺ってみないとわからないことがあります。
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(メールだけでも可能なことがありますが、電話だけではできません。)
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