慰謝料請求

損害賠償

故意や過失によって人に損害を与えた場合、弁償等をしなければなりません。「人の花瓶を壊したから弁償する」ようなことが「損害賠償」です。

損害賠償請求には

  • 財産的損害
    ・積極損害(修理代・医療費などの実費。当事者がその事情を予見できたものであれば、特別の事情によって生じた損害も含む)
    ・消極損害(逸失利益など、もし損害を受けなければ得られたものに対する補償)
  • 精神的損害

に対するものがあります。
事故・喧嘩などで怪我を負わせたり、物を壊したら財産的損害が大部分でしょうが、この場合にも精神的損害として慰謝料を請求できることがあります。

愛車にキズを付けたから、そこを修理しても一度「きず物」になったのだから、車ごと買い換えた上、さらに慰謝料を支払わなければ納得いかないという人もいます。削れた塗料ときわめて似た色の塗料を塗っても、やはりキズついた事実は消えません。損害賠償請求すべき場合もあると思います。

車のナンバープレートまで潰されてしまった場合には、修理業者がかなりきれいに直してくれますが、ナンバープレートは元通りにはならないことがあります。

引っ越しの際に、業者がタンスを傷つけたとすると、補修業者が塗料などを塗って終わりですから、事実上、キズが目立たなくなっただけで、キズが直ったといえるのかどうか。表面だかならまだしも、穴を開けてしまってもパテのような物を詰めてから塗料を塗るだけですから、やはり「傷つけられ損」の気がします。

財産的な損害賠償は、同等の物に買い換えたり修理する金額ですから、本人は納得できなくても、ある程度は客観的な額・標準的な額が算出されます。

しかし、損害を証明するのは持ち主側です。相手が「このキズははじめからあった。」と主張すると、誰がキズをつけたのか立証するのは持ち主側です。被害者の苦労はさらに大きくなるでしょう。

契約(債権・債務)から生じる損害賠償慰謝料請求の場合、協議によって示談書合意書を作成して、淡々と終了することも多いと思います。協議による解決は重要だと思います。

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慰謝料とは

「慰藉料」とも書きますが、ここでは「慰謝料」とします。

慰謝料は、精神的損害(苦痛など)に対する損害賠償です。精神的苦痛・損害を受けたことを証明するのも、慰謝料を請求する側です。この損害賠償は法的には金銭によっておこないます。

極端に言いますと、精神的損害を与えたことを反省していなくても、お金を払えばおしまいです。よほど高額ならともかく、たいていは金銭で心の傷が癒されるとは思えません。悔しさは残るでしょう。

ただ、賠償金・慰謝料を支払うということは、たとえ少額であっても「その人に非があった」ことを示すものです。そうすると、相手に対する制裁にもなるでしょう。そして被害者は、心の傷を克服するための費用にその慰謝料を役立てることができるかもしれません。

法的に考えれば、損害賠償はきちんと請求した方がよいでしょうが、実際には、「反省している」「二度と繰り返さない」ということで終結させることも多いようです。

いずれにしても、後で気が変わったとか、やはり金額が足りない、ということのないように、合意書示談書誓約書謝罪文などは作成しておく必要があると思います。

 

慰謝料の額は

よく「こういう場合は慰謝料をいくら請求できますか?」と聞かれるのですが、「心の痛みが癒される額」ですから、本人しか(本人でも?)わかりません。いくらでもいいのです。

ただ、相手のある話ですから、こちらが提示した額を承知してくれないなら、話し合いとなります。それでも慰謝料額が決まらなければ、裁判所で事情を勘案して決めます。これがだいたい「相場」とよばれるものでしょう。双方とも納得がいかないかもしれませんが、裁判とは「一刀両断」にするものですから、お互いに痛みがあっても仕方がありません。

いろいろと妥当な慰謝料の額、損害賠償の額を算出してくれる専門家もいます。目安にはなると思いますが、それが絶対ではありませんのでご承知おきください。

慰謝料の算定は訴訟でも非常に難しいようで、実際は裁判官の裁量となっている面もあるでしょう。しかし、基準を明確に示すよう努力していることは間違いないと思います。

たとえば不倫による慰謝料なら、婚姻期間と責任の度合いによって表にしたものもありますが、責任(有責性)が軽度か中度かなどの判断は難しいようです。

加害者・被害者双方の収入も考慮する必要があります。収入(年収)などによって、お金の価値は人によってかなり違います。年収3千万円の人が百万円支払うのと、年収3百万円の人が百万円払うのではお金の価値が違うでしょう。逆に、年収3千万円の人が百万円の慰謝料をもらっても、癒されるでしょうか。では、1千万円もらえばよいかというと、相手が年収3百万円なら、1千万支払わせることは妥当ではないでしょう。

慰謝料の相場・平均を調べた資料もありますが、10件の慰謝料請求問題があって、5件は30万円、あとの5件は300万円だったとすると、単に平均金額を調べても、あまり参考にはなりません。

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離婚はせずに慰謝料請求

慰謝料請求額算定集」のような資料によりますと、慰謝料を請求できるケースが多数列記されています。しかし、私が業務上、お受けすることの多いのは不貞行為等です。不倫の慰謝料請求というお問い合せが多いです。

配偶者(夫または妻)に不貞行為があったからといって、すぐに離婚となるわけではありません。不貞行為のあった配偶者とその相手方に慰謝料請求ができます。

どちらが主導的だったかということが、どちらにいくら請求できるかの判断材料にもなります。自分の配偶者(Aさんとします)が主導的であった場合は、Aの方が多額の慰謝料を負担すべきと思われます。自分の配偶者に慰謝料を請求するケースは現実には少ないですから、Aが主導的で、慰謝料を多額にしたいなら離婚も視野に入れるべきでしょう。

内容証明等での慰謝料請求に際しては、

  • 積極性
  • 期間
  • 程度
  • 収入

など、考慮することがたくさんあります。機械的に算定されるものではないことをご承知おきください。

まずは事実を立証できるのかどうかが問題です。事実を立証できないのに迂闊なことを内容証明郵便で通知すれば、逆に不利になるかもしれません。

不貞行為の証拠がないと、そもそも不貞行為がなかったと言い張る人もいます。多少の事実を把握していても法律を駆使して黒を白にしようとする人たちもいます。一方、証拠はなくても事実関係を認めて、一般的にはそれほど多額の慰謝料は払わないのに、かなりの額を進んで支払う人もいます。

事実関係が確実であれば、内容証明郵便で事実を示してからの相手との意見交換が大切かと思います。初めに言い合いになって、感情的になると、事実関係が見えなくなり、協議に支障が生じがちです。そのような点が難しければ、初めから内容証明郵便だけを利用してもよいのではないでしょうか。

不倫の慰謝料請求】のページもありますので、ご参照ください。

離婚については

離婚したら遺言書も

離婚協議書

離婚の慰謝料請求】

もご参照ください。

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内容証明郵便

夫婦関係を壊した原因が一方の配偶者にある場合、慰謝料請求ができると考えられます。その配偶者と共に原因を作った人にも慰謝料請求ができるでしょう。

慰謝料に額の規定はありません。心の傷に対する補償ですから、人によって、場合によって様々です。かといって、途方もない額を提示しても話はまとまりません。途方もない額ですと、後々、変更になる可能性もあります。悔しさはわかりますが、相手の収入等を考慮して、まずは内容証明郵便で主張してみてはいかがでしょうか。

不貞行為があった場合

不倫・不貞行為の場合の慰謝料請求は【不倫の慰謝料請求】もご参照ください。

配偶者(夫または妻)に不貞行為があった場合、

  • 交際をやめさせるだけ
  • 交際をやめさせ、慰謝料請求もする
  • もし今後、連絡などしてきたら法的措置をとる

というように内容証明を送る場合にも区別が必要です。
示談書合意書誓約書謝罪文の差し入れも検討しておく方がよいでしょう。

ただ、相手の態度・回答によっては、トラブルが大きくなります。最後は訴訟ですが、自分の主張がすべて認められて「完全勝利」すれば気分がよいと思いますが、通常は、後味も悪く、満足することもめったになく、費用もかなりかかり、場合によっては、その後の日常生活にも影響しますから、悔しさはあるでしょうが、示談で済ませることをお勧めします。

 

誓約書謝罪文

不倫・不貞行為などの場合、慰謝料請求とともに、誓約書謝罪文を要求するケースもよくあります。

「二度とこのようなことはしません。」
「どうもすみませんでした。」

というくらいのことは誰でも書くと思います。これらの誓約書謝罪文を単なる作文で終わらせずに、なるべく効果的なものにするためにはそれなりの工夫が必要です。
誓約書謝罪文の他に、合意書示談書が必要かもしれません。

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離婚は簡単

我が国は離婚に対して非常に寛容で、おそらく「世界一、離婚しやすい国」のひとつです。もっとも、それは当事者が同意している場合です。

離婚手続きは簡単でも、問題はたくさんあります。子供の養育、財産分与、慰謝料などです。「顔も見たくない。話し合うこと自体が嫌」という場合も多いのですから話し合いは大変です。専門家にご相談ください。

彩行政書士事務所で全国対応も可能です。小さなお子さんがいるとか、お年寄りの看護をしておられる方など、外出が難しい方には電話・メールで対応させていただきます。

具体的にどうしたいのかわからず、とにかく「何となく困っている」という人こそ、専門家にご相談ください。少なくとも今後の方向性をお示しすることはできるでしょう。

書類等を参照した方が具体的なお話がしやすいことも多々あります。
川崎市中原区の武蔵小杉を中心として、幸区・高津区・多摩区・麻生区、横浜市港北区、東京都大田区・世田谷区など、東横線沿線、南武線沿線、武蔵小杉、武蔵中原、元住吉の駅付近でしたら、出張料もかかりません。

 

分割払いの慰謝料が滞らないように

慰謝料を分割払いにすることもよくありますが、次第に支払いが遅れたり、支払われなくなったりすることがあります。
内容証明で請求し、返済条件を変更する示談書作成で解決することもあるでしょうが、払わないというのであれば、法的措置をとらざるを得ません。
法的措置にも種類があります。ご自分でできる簡単なものから、弁護士に依頼しなければならない訴訟の場合もあります。慰謝料の額によっては、訴訟をあきらめる人も少なくありません。

初めに慰謝料の支払いで合意したときに、きちんとした合意書示談書を作って、できればそれを公正証書にしておくとよかったのです。公正証書にしておけば、訴訟をしなくても差押えなどの強制執行が比較的容易にできることがあります。

しかし、公正証書にして一定の条項を記載しておくと、確実に金銭を受け取れるということではありませんのでご注意ください。

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慰謝料について武蔵小杉・元住吉で相談

川崎市中原区の行政書士です。中原区はもちろんですが、川崎市内全域(幸区・高津区・宮前区・麻生区・多摩区・川崎区)をカバーしています。
横浜市港北区、東京都大田区・世田谷区・目黒区・渋谷区周辺の方にも便利にお使いいただいています。
武蔵小杉は、東横線・南武線・横須賀線・目黒線・南北線・三田線・埼玉高速鉄道などアクセスにも恵まれています。元住吉はその隣駅です。

 

内容証明郵便を送付する・受け取る、離婚相続関係の協議など、人生でそう何度も経験することではありません。充分時間をかけて、現状でのベストを尽くしたと思えるように、できるだけのことをしましょう。

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