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不倫の慰謝料
不貞行為による損害賠償請求を当サイトではたいてい「不倫の慰謝料請求」といっています。正確ではありませんが、わかりやすいと考えてのことです。
不倫があった場合は、
というようなことがまず問題でしょう。謝罪文や誓約書を書かせたい、あるいは逆に、自分から提出しなければならないという相談もお受けします。
そのようなことをお考えの場合の参考になるようにこのコーナーを設けたつもりです。
あくまでも参考事項であり、実際のケースはさまざまですから、具体的なことはご相談ください。
念のためきちんとした書面を
不倫の慰謝料をいくら、どのような条件で支払うかを、口約束で決めて、記録の残らない形で慰謝料の授受をするのは専門家としては不安でできませんが、人によってはそのように解決しているようです。それで事態が収拾、将来に不安を残さないならそれで構いません。当事務所で、依頼人に対して「私の言うとおりにしておけばよいのです。」などということはありません。参考意見は申し上げます。
また、法的意味や手続き方法(示談書・合意書の書き方)などをたくさん勉強して、一層事態を複雑にしてしまうこともあります。最近は、インターネット等でいろいろなことをピンポイントで調べることができるので、「狭く、深い」知識をお持ちになっていることが多く、全体的に見るとかえっておかしい手続きも見受けられます。
内容証明郵便を送るとしても協議をするとしても、相手のあることですから、ひとりよがりでは収拾がつかなくなってしまうかもしれません。
どのようにしたいのか、何が不満なのかをご相談いただければ、目的を達せられるように協力させていただきます。
なお、不倫の慰謝料については、婚姻関係をどう守るか、婚姻関係を続けるのか、家庭はどうする、子供はどうなる、ということがそもそも大切なはずです。目的を見失わないように気をつけましょう。
不倫の慰謝料と収入・資産
不倫の慰謝料の算定の要素はたくさんあることになっています。
「当事者の収入・資産の額」はどのように反映されるでしょうか。
たとえば
- 「資産・収入」ですが、お金持ちが不法行為をしても、貧乏な人が不法行為をしても、不法行為に違いはない。
- お金持ちかどうかによって、不倫の慰謝料の額が増えたり減ったりするのは不合理である。
という意見があります。
罰金と不倫の慰謝料
交通違反で罰金を支払う場合、「〜をしたら罰金はXX円」と決めてしまうと、不公平が生じると私は思います。
たとえば罰金が30万円だとしても、
- 年収が150万円の人
- 年収が3千万円の人
- 年収は150万円だが、親から毎月15万円の小遣いをもらっている人
上の例では、罰金の「30万円」の重さが異なります。
年収が3千万円で、ゴルフ大会で優勝したから30万円かけてパーティができる人にとって、30万円の罰金は「安い」でしょう。
年収150万円の人が、毎月なんとかやり繰りをして、さらに年老いた親に仕送りをしているとすれば、30万円の罰金はかなりの負担です。
極端な例をあげましたが、罰金の額が一律では、「お金持ちには罪を軽くし、貧乏な人には罪を重くしている」のと変わりません。(外国ですと、罰金が「年収の何パーセント」と定められる場合があるそうです。)
年収が150万円でも、親から毎月15万円の小遣いをもらっている人にとって30万円は安いと思いますが、罰金が年収の何パーセントと決まっているとすれば、この人から多くの罰金は取れません。ですから、何を基準にしたら妥当なのかは非常に難しいと思います。
不法行為と不倫の慰謝料
上の例は交通事故での「罰金」です。今問題にしているのは、不法行為である不倫の慰謝料の額です。
不倫の慰謝料ですから、これは不法行為をした人を罰するのではなく、精神的損害を受けた人を慰謝するものです。慰謝料とは「心の修理代」といってもよいと思います。
交通事故と罰金との関係でいうと、お金持ちが事故を起こしても貧乏な人が事故を起こしても、車の修理代は変わりません。
夫(あるいは妻)が不倫をして心が傷ついたのですから、当事者がお金持ちがどうかによって「修理代」が変わるでしょうか。
裁判例では、相姦者(配偶者と不倫をした相手)の資産の有無・多寡は、慰謝料に無関係というものがあります。
しかし、相姦者が、不倫の慰謝料を苦労して支出するのと、ポケットマネーで気軽に「ポンッ」と出したのでは、「心の修理」に影響を与えると私は思います。
不倫の慰謝料は、本来「制裁・復讐」ではありませんが、やはりそういう心理が多少なりとも働くでしょう。「タテマエ」や「きれいごと」にこだわらなければ、「相手の痛手」が「心の修理」に及ぼす影響はあるはずです。
昭和40年代までの裁判ですと、当事者の資力などを考慮したようです。
資力と不倫の慰謝料
かつては、裁判で当事者の資力を考慮して不倫の慰謝料を決めていたとしても、最近はあまり考慮しないらしいと思っていたほうがよさそうです。
ただし、当事者で協議をして示談書・合意書を作成し、決着させる場合は、資力を考慮したほうが示談が成立しやすいと思います。
私が実際に示談書・合意書作成の相談を受けた事例でも、地位が高く収入も多い人がかなり多くの額を支払って、比較的スムーズに解決した例もありますし、相姦者がまだ学生であるために、不倫の慰謝料を安くするというようなケースもありました。もちろん、反省の程度などによるでしょう。
不倫の慰謝料の算定(離婚するのか、しないのか)
不倫の慰謝料は、不貞行為による不法行為があった後、その夫婦が婚姻破綻した場合と、婚姻生活を続ける場合で額が変わるといわれています。
離婚にいたった場合も、不倫(不貞行為)だけが離婚原因なのか、それとももともと離婚原因があって、不倫は離婚の単なるきっかけだったのかというのは、当事者にとって重要な問題です。
不倫発覚後に離婚をしたかしていないかという形式的・表面的なことだけでは、不倫の慰謝料の増減が決まるわけではありませんが、離婚したかしていないかは客観的にわかることなので重視されやすいといえます。
不倫の慰謝料の算定要素
不倫の慰謝料額の算定にさまざまな要因を考慮するとすれば、
- 婚姻期間
- 不倫開始時の夫婦関係
- 不倫の期間
- 不倫の当事者の積極性
- 不倫相手との同居の有無
- 不倫中の妊娠の有無
- 不倫相手との間に子がいるか
- 被害者の苦痛の程度
- 当事者の社会的地位・資力
などがあります。これらをどのくらい正確に把握し評価できるかは、また別の問題です。
とりあえず今は離婚しないけれども、場合によっては後日離婚することになるかもしれません。
しかし、かつての不倫の際に、不倫の慰謝料のやりとりがあって、示談書や合意書で「精算」が済んでいると、そのときの不倫相手に慰謝料(離婚にいたったので更なる慰謝料)を請求するのはむずかしいと思われます。
もし、不倫が原因でいずれ離婚するのかもしれないのでしたら、証拠は確保したまま、慰謝料の授受や示談書・合意書(合意契約書)の作成は待ったほうがよいでしょう。また、不倫・不貞行為をめぐって内容証明郵便などが残っていれば、それも重要な算国書類となると思います。
さらに、内容証明郵便での請求や協議に応じないとか、謝罪がない、今後は交際しないなどの誓約書を差し入れないとなれば、相手方の不誠実(反省をしていないこと)も明らかとなるでしょう。これらの事実もきちんと残しておきましょう。反省もなく不誠実であれば、慰謝料請求額を高くするしかないと思います。
むやみに内容証明郵便を出すのは危険だったり、逆効果だったりすることもありますが、どちらかといえば内容証明郵便を出しておくと後日役に立つことが多いと思います。
「さまざまな工夫と努力をして、一向に成果が上がらない状態になってから内容証明郵便を出す」のではなく、
すみやかに「内容証明郵便で主張・請求するのだけれども、事情によっては出さないこともある。」というのが基本的な考え方でしょう。
不倫の慰謝料と訴訟
不倫の慰謝料の算定にはたくさんの要素があるとはいえ、「算定表」のようなものにあてはめて計算できるわけではありません。
最終的には、示談よりも訴訟の場合のほうが「損をした」という感覚があると思います。弁護士費用・労力・時間、さらに周囲に不倫のあったことが知られては困る、などということを総合的に判断すれば、示談と訴訟とどちらがよいでしょうか。
ただ、相手に反省や誠意がみられないので、慰謝料額に関係なく、訴訟というものを起こしたいというケースもあります。
なかには、不倫の慰謝料請求として、とにかく相手からたくさんのお金を取りたいという場合もあります。それは、お金がほしいからかもしれませんし、お金の問題ではなくたくさん反省させたいからかもしれません。裁判というのは「非常にカドの立つ手段」だという考えの人は多いと思いますが、必要があれば積極的に法廷に出ないと、一方的に損をしかねません。
不貞行為は不法行為ですから、不法行為の損害賠償は法的には金銭賠償が原則です。
お金をたくさん取るほど効果があるようにも思えますが、依頼者さんと面談をしていると、どうも一概にそうともいえないケースもあるようです。あくまでも依頼人ご本人の意向を尊重します。
不倫の慰謝料の行政書士
円満な婚姻関係を破壊するとされているのが不貞行為ですが、法的には不法行為というもので、損害賠償請求ができます。不倫の慰謝料請求とは損害賠償請求です。
通常は、お互いに大人ですから、「大人らしい解決」「協議で示談成立」を目指してください。裁判所という国の機関を使わなくても、たいてい答えはみえているものです。
決断の遅さは、解決の遅さにつながります。遅くなって、事態が好転することは少ないですから、行動は早いほうがよいのです。しかし、気が動転していたり、感情的になっていると判断が鈍りますから、ひとりで「思いついたことを、すぐにする」のはお勧めできません。
彩行政書士事務所は川崎市中原区に本拠を置き、身近な権利義務の問題などを多く扱っています。慰謝料や相続のこと、あるいは思わぬアクシデントから損害賠償・協議・示談という場合の書面づくりでご協力します。
- 東急東横線沿線
- JR南武線
をご利用の方、
- 武蔵小杉
- 元住吉
- 武蔵中原
- 武蔵溝ノ口
の各駅をご利用の方などには便利です。
彩行政書士事務所では、問い合わせ時間は「いつでも可」としています。
- 土曜・日曜・祝日
- 正月
- 連休中
- お盆
- クリスマス
- 大晦日
いつでも対応できるようにしたいのです。極端に言うと、24時間・365日対応するようにしたいのですが、実際には、夜中などには対応いたしかねます。
夜8時(20時)だから、もう電話は通じないだろうと思わなくて結構です。携帯電話等で、私のプライペート時間でもできる限り対応いたします。
また、日中は外出中でも携帯電話に転送するなどして、できる限り直接つながるようにしています。一番心配なことを少しでも早くお話いただければ、気持ちも楽になると思うからです。しかし、会議中・公共の場所など通話ができない場合がありますので、その場合は、なるべく早く折り返しお電話をいたします。
外出中も、時間や場所の都合でゆっくりお話できないことがあります。要点だけ伺っておいて、少し時間が経ってからお電話をさし上げることもありますので、ご理解をお願いします。
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